運を上げる、食事のおごり方、おごられ方について No,070

2025年1月30日

相手に食事をご馳走する、
いわゆる「おごる」とき、
反対におごられるとき。

それにも運を上げる
ちょっとしたコツがあります。

経営者同士ならば、
ごちそうになったら、
次は、自分がお支払いする
というのが一般的ですよね。

立場が上になればなるほど
お支払いをする機会が
増えていくでしょう。

その場合、ご馳走になった方は、
どんな態度を取って
おられるでしょうか?

品物を差し上げるのとは違い、
食べたり、飲んだりしたものは、
後に残りません。

そのため相手の方も、
忘れてしまいがちですよね。

今回は、食事のおごり方、
おごられ方について
考えるときに私がいつも思い出す
伊勢神宮参拝時のエピソードを
ご紹介します。

伊勢神宮に、ある経営者の方を、
2年連続でお連れした時のことです。

伊勢神宮の元神主さん(上野様)に
ご案内をしていただきました。

丁寧にご説明をしてくださり、
私も初めて聞くお話なども
聞かせていただきました。

最後に上野さんは「おかげ横丁で、
お茶を頂きましょう」
と言って、赤福をごちそうして
くれました。

経営者の方は、あわてて
「ここは自分が払います。
これだけお世話になったのです
から・・」と申し出ましたが、

元神主さんは
こうおっしゃったのです。
「あなたは、
もし私に感謝をしてくれるなら、
それを私に返してくれる必要は
ありません。

伊勢の地で、
あなたが感じ取ってくれたことを
これからあなたの後に続く人に、
してあげてください。
それが私は、なにより嬉しいです」

その経営者の方は、帰りの車中で
「先ほどの話を聞いて
恥ずかしくなった。
自分は、お金でお礼をしようと
思っていたし、
今までそんな風に生きてきた。

でもお金に換えられないものがある。

伊勢神宮は、そんなことに
気づかせてくれる場だし、
藤原さんのお蔭でそうした方に
出会う機会を頂いた」
とおっしゃいました。

そして翌年、その経営者の方は、
「昨年、上野さんにごちそうに
なったから、今年は自分が・・」
といって参加した全員の食事代を
出してくれました。

1年前のお茶代を覚えていること
にも驚きましたが、

私たちまでごちそうになるのは
申し訳ないので
「それならば、上野さんの分を
お願い致します。
私たちは、皆自分の分をお支払い
しますので・・」
と私が申し出たところ

「これは昨年、
自分が感じた感謝の気持ちだし
是非、自分がしたいから」
といって、とても清々しい顔を
されました。

この経営者は、
参拝後に、ビジネスの面でも
大きなヒントを得られたそうです。

この方のように真心を添えて
お支払いをすると、
時として「互いの運を拓く力」が
出ることがあります。

支払う側は、どう考えておごるか。
おごられる側は、どう受け止めるか。

この思いの違いで、
おなかを満たすだけでなく
心の糧となる場合もあるようです。

ちなみに神社で、
お神酒やお食事などを頂くことを
「直会(なおらい)」といいます。

これは
神様と共に頂くという意味が
あります。

食事の場は、互いの親睦を深めたり
楽しいひとときを共にする
機会でもありますよね。